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2025

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    より多くの人に知ってほしい 給食を支える企業の姿

    より多くの人に知ってほしい 給食を支える企業の姿

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    全国学校給食週間初日の1月24日、中央区のオフィスが子どもたちでにぎわった。実施されたのは、学校給食の体験型イベント「~今と昔の人気メニューを食べ比べ~給食タイムトラベラー」。イベントを企画・運営した株式会社中西製作所は、給食用アルミ食器の販売から80年の歴史を経て、学校給食を軸にした総合厨房機器メーカーへと成長した企業だ。昔ながらの給食の試食に始まり、3Dフードプリンターなどの最新フードテックの展示を行った彼らには、未来を見据えて食生活を支える企業の姿を知ってほしいという願望があった。代表取締役社長の中西一真氏に話を伺った。

    学校給食で培った一気通貫の設備開発力

    学校給食の体験型イベントに参加させていただきましたが、実に楽しいものでした。食べ慣れたはずの学校給食についても知らなかったことが多かったと実感し、また3Dフードプリンターで作られるキャンディーやチョコレートが非常に精巧で驚きました。

    ありがとうございます。社内からの発案で実施されたものだったのですが、平日にもかかわらず近隣の方々に多数ご来社いただき、大変賑わったイベントになりました。学校給食の歴史や給食設備が分かるパネルの展示や、「未来の給食はこうなる」というビデオクリップの上映などにも興味を持って見ていただけましたし、また3Dフードプリンターで好みの形に作られるチョコレートやキャンディーは小学生の皆さんの関心が非常に高かったです。試食では揚げパンとクジラの竜田揚げ、ABCスープという、昔懐かしいメニューを提供させていただきました。学校給食は多くの方々に興味を持たれている分野であると思うのですが、普段はあまり外部の方に見ていただく機会がないため、こうしたイベントは当社のことを知っていただくという意味でも非常に有意義なものでした。今年8月および2026年1月にも開催を予定しており、多くの方にご来場いただければと思っています。今後ももっと学校給食のことを知っていただけるよう、2025年度中に、学校給食の運営シミュレーションができるゲームアプリもリリース予定です。

    学校給食の運営シミュレーションとは、どのようなゲームなのでしょうか。

    架空の地方都市「N市」の給食センターの管理者として、学校給食の運営をシミュレーション体験していただけるものになっています。 最初は小さな町からのスタートし、プレイヤーが給食の質を上げ運営効率を高めていくことで、給食の満足度が上がり、人口も増え、都市の成長を実感することができます。 例えば、アレルギーがある子どもは食べられないメニューがありますよね。本ゲーム中では、アレルギー対応調理室を設けることで、給食の満足度を上げることができます。 ゲームの中には、過熱水蒸気調理機「SVロースター」や連続式フライヤーなど、実際に厨房で使用されている当社のリアルな調理器具も登場します。 このゲームが、若い世代に学校給食の運営や食育の重要性を楽しく学んでいただく機会になればと思っています。

    フードテックの開発を積極的に進めておられますが、貴社の強みはどういったところにあるとお考えですか。

    厨房機器の製造と厨房設計、運営やメンテナンスまで一気通貫で請け負うことができるのが我われの強みです。そしてそれは、我われが学校給食の厨房設備に携わってきたゆえに培われたものだと考えています。安全性のプライオリティーが高いとされる学校給食の調理には、食材の加熱処理等で多くの基準があります。例えばイベントの試食メニューに揚げパンを用意させていただきましたが、あれは実は一度焼いているのです。食中毒を防ぐために火を通して料理の中心温度を75℃以上に上げないといけないのですが、揚げただけでは中心温度が上がらない。そういったことに気を付けつつ、設備をトータルでコーディネイトしなければならない難しさがあるのです。

    ミラノの見本市出展で得られた意外な反響

    今後も学校給食設備を主軸に、国内事業を中心にするとお考えでしょうか。

    厨房設備の海外進出も積極的に考えています。実はイタリアとシンガポールの展示会に、我われの厨房機器を出展したのです。私たちには海外市場をターゲットにした開発室があり、アジアや南米からの引き合いが増えてきていますので、じゃあ一度出展してみるかという話になり、ブースデザインを進めたのです。そしてミラノの展示会では、予想をしていなかったような大きな反響が得られました。これを機会にEUの安全規格基準に合わせて当社の製品も認証を取っていこうという方向になり、今ではEUで販売できる状況になりました。

    給食センターの需要がイタリアにもあったということでしょうか。

    いいえ、主にいただいた問い合わせは「当社の厨房機器を現地のレストランに導入したい」というものだったのです。導入目的を聞いたところ、料理のクオリティーが上がると単価が上げられるのだと。それには驚きました。コスト削減を目的に厨房設備が導入されるケースが多い日本の外食産業と少し事情が違うようです。ただし我われが日本でやってきた一気通貫のサービスを展開しようと思うと、機器や設備のメンテナンス体制を作るのが難しい。その課題解決のため最近、現地の企業とパートナーシップを結んで対応を図っているところです。

    とにかく一回やってみよう、という社風

    給食イベントや海外への見本市出展には企業としてのフットワークの軽さを感じます。これが貴社の社風ということでしょうか。

    とにかく一回やってみよう、という姿勢でいます。時代の流れにより、続けても意味がないと感じた取り組みは、先代社長の時代から続いてきたことでも思い切ってやめることがあります。もともと会社がそういう風土なのです。私は社員に恵まれています。福利厚生では社員同士の飲食費の補助や社員の子息の給食費補助をしていますが、それらのアイディアは社内で提案を出されたものです。従業員からは年間100件ほどの業務改善提案があります。すべてが採用されるわけではないですが、提案の6割は採用されているはずです。ただ、私自身には社長として特別なことをしているつもりはありません。他の会社でも実施されていることではないでしょうか。

    風通しが良くて働き手にもやさしい、新卒求職者の方々の目にも魅力的に映る企業と思いますが、何かメッセージはございますか。

    新卒採用には今後もウェイトを置きたいと思っています。2025年卒の学生も前年の1.5倍程度を増員して採用しました。新卒の方々には当社の内容を知っていただきたいのですが、我われは消費者向けのビジネスではないので一般の方にはなかなか知られていない、そうなると興味の対象にならないのが悩みです。そこで、先に述べたようなゲームアプリの取り組みも含め、今後は当社や業界の魅力をより多くの方に伝えていけるよう、情報発信を重ねていきたいと考えています。また、当社では業界内でもいち早くDXの推進に着手し、コロナ禍ではテレワークにもスムーズに対応するなど、柔軟な働き方を実現してきました。さらに、厨房設備技能士や独自のマイスター制度など、資格取得も積極的に推奨しています。今後は、企業としての認知度を高め、業界の外の方にも「こんな取り組みをしてるんだ」と関心を持ってもらえる存在になれたらと思っています。

    #中西製作所#学校給食#厨房機器#フードテック#CSR

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