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2026

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    「フルーツの価値創造企業」へ。社長が語る技術と人を軸にした「フルーツの続き」

    「フルーツの価値創造企業」へ。社長が語る技術と人を軸にした「フルーツの続き」

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     「みかん缶詰」から始まり、家庭の食卓にジャムを届けてきたアヲハタ株式会社。創業から長きにわたりフルーツの加工を担ってきた同社は今、キユーピーグループの完全子会社となり、新たなフェーズへと突入している。

     独自技術による新感覚の冷凍フルーツ「くちどけフローズン」の開発や、品種づくりにまで踏み込んでのイチゴの研究など、従来のジャムメーカーの枠を超えた挑戦を続けるアヲハタ。その背景には、社長自身が過去の挫折から学んだ「人を軸にしたマネジメント」と、社員一人ひとりがブランドを背負う「自立」への意識改革があった。

     次の100年を見据え、アヲハタ代表取締役社長・上田 敏哉氏が描く「フルーツの続き」とは何か。その経営哲学と未来への展望に迫る。

    ジャム屋から「フルーツの価値創造企業」へ。独自の技術と研究で描く未来

    ジャムのトップブランドとして知られる御社ですが、現在は「フルーツを基点とした価値創造」を掲げ、独自の技術開発にも注力されています。今、どのようなアヲハタ像を目指しているのでしょうか。

     現在、社内で議論しているのは「アヲハタという会社は一体『何屋』なのか」という根源的な問いです。

     元々は瀬戸内のみかんの缶詰やマーマレード作りから始まり、農産加工品としてフルーツをお客様に提供することで成長してきました。現代においてフルーツの摂取量は国が推奨する1日200グラムに届いていないのが現状で、その背景として、生のフルーツは日持ちなどの扱いにくさ、皮むきやゴミが出るのが面倒、ものによっては価格が高いといったハードルがあります。

     だからこそ、私たちはフルーツをもっと身近なものにしたいと考えています。「くちどけフローズン」のような、皮をむく手間もなくすぐに食べられる「即食(Ready-to-Eat)」の推進もその一つです。

     また、フルーツには様々な健康効果があります。美味しさだけでなく、 「食べて心身ともに健康になる」というプラスアルファの価値を提供できる企業 でありたい。国内だけでなく、海外のお客様にもその価値を届けていきたいと考えています。

    ウェブサイトでは研究成果も公開されていますが、かなり専門的な研究も行っているようですね。

     長年フルーツを扱ってきた中で、香りや色のコントロールなど、経験則で分かってきたことが多くあります。それを基礎研究として深めるため、本社の隣にはR&Dセンターを、広島の三次市にはイチゴを中心に果実栽培の研究所を、そして中国山東省烟台には品種開発を主とした研究所と試験農場を持っています。

     イチゴを品種開発レベルで研究している食品企業はそう多くありません。 さらには、害虫のリスクを管理するためにハエの研究まで行っています。一見すると地味ですが、こうした基礎研究の積み重ねが、産地への貢献や高品質なものづくりにつながっています。

     また、気象情報会社と連携し、天候予測に基づく収穫時期の適正化も進めています。生産者の方が一生懸命作った原料を無駄にせず、サプライチェーン全体をサステナブルにつないでいくことも、私たちの重要な使命だと考えています。

    「自分の力などない」と知った日。挫折から学んだ“人を軸にする”経営

    これまでのキャリアの中で、現在の経営スタンスに影響を与えた出来事はありますか。

     私はもともと14年間、同じ生産拠点で現場を経験しました。長く同じ場所にいたことで、仕事にも慣れ手応えを感じる一方で、自分を過信していた面もあったと思います。

     転機となったのは、30代半ばで全く畑違いの会社へ出向した時でした。コンビニエンスストア向けのお弁当やお惣菜を作る、24時間365日稼働の非常に多忙な現場でした。私はそこの工場長として赴任したのですが、当初は、従業員の皆さんがなかなか私の言うことを聞いてくれず、私の存在そのものが受け入れられていないように感じることもありました。

     その時、初めて思い知らされました。 「自分に力があるのではなく、周りに支えられていただけだったのだ」 と。

     殺伐とした現場で、外から来た人間が上に構えて「こうしなさい」と言っても、誰もついてきません。嫌いな人の話は聞かないものです。そこで私は、掃除から始め、一人ひとりと対話し、信頼関係を築くことからやり直しました。

     この経験で学んだのは、「人を軸にしたマネジメント」の重要性 です。一人の力には限界があります。しかし、互いの弱いところを補完し合い、信頼関係ができれば、組織としての総合力を発揮できる。機械は100%しか動きませんが、人は120%、1000%の力を出せる可能性を持っています。その人の良さを引き出し、共に成長することこそが経営の要諦だと、身を持って学びました。

    「社員一人ひとりがブランド」となる組織づくり

    社員の方々の当事者意識や、ブランドへの誇りをどのように醸成されているのでしょうか。

     私は、社員一人ひとりが「アヲハタのブランド」そのもの だと思っています。自分自身がブランドを背負っている。その誇りと自信を持って仕事をすることが、結果として当事者意識や会社への共感につながります。

     実は、アヲハタには「ブランドウィーク」という独自の取り組みがあります。

     年に一度、自身のブランドについて考える日を設けているのですが、これは長い年月をかけてお客様の中で育てていただいたブランドが、今もご期待に添えているか、ご期待を超えるような価値に向かっての挑戦ができているか。社員全員が常にブランドに向き合うことの大切さを確認し合うために始まった取り組みです。

     アヲハタの商標が登録された3月11日を機に、毎年自分たちのブランドを再認識する機会を作ったのです。

     社員には 「自分たちのすごさに気づいてほしい」 と常々伝えています。自分たちが当たり前だと思っている技術や歴史は、他者から見ればものすごい価値がある。それに気づき、自信と誇りを持つこと。そして、アヲハタで働けることへの感謝を持つこと。これらを強制するのではなく、対話を通じて共有していくことが、強い組織を作るのだと信じています。

    「フルーツには続きがある。」次の時代へ向けたアヲハタの夢

    最後に、未来に向けたビジョンをお聞かせください。「フルーツには続きがある。」という言葉にはどのような思いが込められているのでしょうか。

     フルーツの可能性は無限大です。瀬戸内の自然の恵みを届けることから始まった私たちは、今や世界中の原料を扱っていますが、根底にあるのは「フルーツで世界の人を幸せにしたい」という想いです。

     2040年に向けて、私たちは単なる加工業者で終わるつもりはありません。例えば、私たちは「レインボー」というブランドで牡蠣カレーなども作っています。実はアヲハタは、素材を活かす高い調理加工技術を持った会社でもあるのです。

     ジャム作りで培った技術から「くちどけフローズン」が生まれたように、これまでの常識にとらわれない発想で、新しい価値を生み出していきたい。

     食卓にフルーツがあるだけで心が華やぎ、美味しいものを食べれば心が豊かになる。それが家庭の平和、ひいては世界の平和につながると本気で思っています。 「フルーツには続きがある。」 その続きを描き、食卓の豊かさや人々の幸せに貢献できる企業であり続けたいと考えています。

    #アヲハタ#経営#リーダーシップ#マネジメント#インタビュー#ビジネス#フルーツ#100年企業#キャリア#人材育成#食の未来#組織文化#ブランディング#研究開発#キユーピー

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